こんにちは!
Pyramid Reloの市川です。

今回のテーマは、インドの水事情、特に飲用水についてお話させていただきます。

インドへ来られるお客様によく質問されるものとして“水事情”があります。
かく言うわたしも、インドに来る前に真っ先に確認したのが、“インドで水は飲めるのですか?”でした。
今から考えると、漠然とした質問だったと思いますが、その当時はインドの水事情を全くイメージできなかったのです。
水道水が飲めない事は聞いているけれど、実際どんな水を飲めばいいの?そんな風に考えていました。

高いインフラ技術によって、高い安全性の水が供給されている日本からすると、インドの水事情がなかなか想像できないという方は、おそらくわたしだけではないと思います。
わたし自身インドに2年以上滞在し、またいろいろな方から聞いた、現地の“水事情”をお伝えします。

【水道水】

まずはインドの水道水についてです。
当然ながら、インドの水道水は飲用に適していません。
現地人であるインド人ですら、ほとんど口にすることはありません。
インドの水道水を飲んでお腹を壊したというのは、昔からよく聞く話です。

おそらくインドに住んでいる日本人の方で、水道水を使用する場面というのは、シャワーを浴びたり、洗濯をしたりする時などごく限定された時だけだと思います。
飲んだらお腹を壊すような水を全身に浴びて大丈夫なのかという声も聞きますが、体内に入れるわけではない、浴びる程度であればよほどの事がない限り特に問題はありません。

わたし自身は感じたことはありませんが、インドでシャワーを浴びるようになってから髪が抜けやすくなったという話を聞くことがあります。
シャンプーの成分やストレスなど、他の複合的な要因もあるかもしれませんが、人によっては髪にダメージがある場合があるようです。
気にされる方は、シャワーにフィルターを取り付けて、不純物を取り除いて使用している方もいます。

水道水の使用については、個人によって差が出るところでもあります。
例えば、歯磨きの際のすすぎです。
多くの方は、すすぎの際は水道水の使用を避け、浄水器の水やペットボトルの水などを使用していると思いますが、中にはすすぎ程度であれば、と気にせず水道水ですすぐ方もいます。
また、食器洗いや野菜を洗う時なども、水道水を使用するかどうか、人によって分かれるところだと感じています。
お子さんがいらっしゃるご家庭は、キッチンでの洗い物はすべて、浄水器の水など、ろ過された水のみ使用しているという方も少なくありません。
どこまで水道水の使用をよしとするかは、各家庭の判断によるところが大きいと思います。

また、家庭内で水道水を口にしないよう気をつけていても、知らず知らずのうちに摂取してしまう可能性があることもあります。
飲食店などが代表的でしょうか。
一定レベル以上の飲食店であれば、飲み水として水道水が出されるという事はまずないかと思いますが、 これが屋台であったり、あまり質の良くない飲食店などに行くと、水道水を出される場合があります。
外国人がよく訪れるようなレベルの飲食店であれば、まず安心して飲食していただいて大丈夫ですが、 通常レストランなどに行くと、最初に普通の水かペットボトルの水かを聞いてくれます。
(普通の水といっても浄水器の水であることが大半です。)
心配な方は、常にペットボトルの水を選びましょう。
※通常ペットボトルの水は有料です。

【浄水器】

次に浄水器の水についてお話します。
インドでは、水道水が飲めないので、ほとんどの家庭や飲食店でROとよばれる浄水器が使用されています。
ROはモーター部分とタンク部分があり、モーター部分にフィルターが取り付けられています。
水道水をフィルターに通し、不純物を取り除いてからタンクに貯める仕組みとなっています。
通常、インド人の家庭で飲まれているのは、このROウォーターです。
2ナノメートル以下という、非常に細かいフィルターに通すので、基準値よりも低いレベルまで浄水する事が可能となっています。
ただし、水質はフィルターの使用状態によって変わってきますので、注意が必要です。
また、フィルターは使用と共に汚れていきますので、約3ヵ月から半年ほどの定期的な交換が必要な消耗品となります。
水質をチェックする事の出来るキットが、インドでは販売されていますので、気になる方はそれを使用して確認されるとよいでしょう。

キットを使用した際の水質チェックの参考として、こちらをご参照下さい。

000~049 ppm:理想的な飲料水
050~150 ppm:許容可能な飲料水
151 ppm~:飲料水としては不適切
※数値が0に近いほど不純物が少なく、飲用に適している。

ROの水を、飲用としておられる日本人の方もいます。
しかしながら、その時の体調や、個人によっては、ROの水でお腹を壊してしまう方もいるようです。

水道水では避けていた、歯磨きの際のすすぎや、食器洗い、野菜や米などの食品の洗浄などに使われるのが このROウォーターです。

【ウォーターサーバー】

ROと並んでよく使用されるのが、ウォーターサーバーです。
写真のように、サーバーの上部に水のボトルをセットして使用します。
おそらく、日本でも使用されていた方、見たことがある方も多いかと思います。
水のボトルは、様々な水のメーカーから販売されていますが、代表的なものとしてはKinley, Bisleriなどが挙げられます。
中身は水道水を高度に浄水したものになります。
ボトルは1本20リットル入っており、ボトルは繰り返し利用されるので、ペットボトルとは違ってゴミが出ず、ROと併用して使用する事によって、ROフィルターの消費を抑えられるといったメリットがあります。
こちらは日本人の方でも飲用としている方が多くなってきます。

【ボトルウォーター】

いわゆるペットボトルの水で、日本人に一番飲まれているのがこちらです。
ROの水や、ウォーターサーバーの水が心配な方でも、こちらは安心して飲むことができます。
ただし、勘違いされやすいのは、中身がミネラルウォーターではなく、ウォーターサーバーの水と同じように高度に浄水された水であるという点です。
では、ウォーターサーバーの水と何が違うのかというと、その製造方法です。
ペットボトルは水のメーカーが、水の浄化からペットボトルの作製まで行っています。
そして、各マーケットへと流通するわけですが、ウォーターサーバーの場合、メーカーの水であっても、詰め替えはライセンスを得た別業者が行なっており、その方法に問題があったり、環境の良くない場所で保管・配送がされていたりする場合があります。
購入する際は、ボトルのキャップに正しく封がされているかしっかり確認をしましょう。

個人的な話をしますと、オフィスや自宅では、ペットボトルの水もしくはウォーターサーバーの水を飲用しています。
(ROは持っていないため、飲用としていません。)
ここまでで、ミネラルウォーターが一切出てきませんでしたが、インドにもミネラルウォーターは販売されています。
値段は通常のものより高価なため、たいていの日本人は通常のペットボトルの水を飲用としています。

このように、インドでは水といっても様々な種類があります。
何も考えなくても水を使用できる日本から比べると、使い分けが面倒な部分もありますが、水は皆さんの体調に多大に影響を与えるものですので、安全な水が飲めるよう心掛けて下さい。

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